2011年01月19日

Kindle3(PDFを快適に読む編)


今日はKindle 3(以下キンドル)環境でPDFファイルを快適に読む(可読性を向上する)方法、ツールの評価とその結果をまとめます。

検証に利用するPDFファイル


検証用PDFファイルとして次のドキュメントを利用します。
 

・PDFファイルのセキュリティ設定(印刷禁止、暗号化等のプロテクト)は行われていない。
・一般的なA4サイズの報告書で、日本語、図が含まれる。


PDFファイルの可読性向上ツールの検証とその結果


1)PDFファイルを加工して余白を削除(PDF Scissors

前提条件としてこの方法はプロテクト無しのPDFしか利用出来ません。
(暗号化されている場合、利用できません)
まず特に何も行わずにオリジナルのPDFファイルをキンドルに転送した場合を見てください。
 
screen_shot-64046

表示される文字(フォント)は小さく、さすがのキンドルでも目が疲れます。
※6インチのディスプレイというと男性の手のひら程度の広さです。

周りにある余白を消してみましょう。
これにはPDF Scissorsを利用します。
Webサイトを移動して、Startボタンをクリックするとアプリケーションが起動します(途中起動を許可する)。
尚、ブラウザによっては起動しませんので直接Java実行ファイルをダウンロードして下さい。
 
kin2


起動後、FileメニューからPDFファイルを読み込みます。

kin5

すると全てのPDFがスタック(積み重なった)状態で半透明に表示されるので、余白以外のエリアをドラッグして選択します。
 
kin6

最後に保存ボタンをクリックします。
すると余白が削除されたPDFファイルが出来ます。
1ページを上下2段に分けてカットすることも出来ます。

kin7

最初に余白を削除したPDFをキンドルで表示すると、
 
<余白を削除した場合>
screen_shot-64047

分かり辛いしれませんが、文字のサイズが一回り大きく(文庫本程度)なっており、
何もしないよりも可読性は大きく向上しています。
(座って読むには十分、歩きながら読むには少し辛いという程度です)

<余白を削除し、1ページを2段に分けた場合>

screen_shot-64048
※2段に分けるぐらいならばキンドルを横表示にした方が快適かもしれませんが。

実はプロテクト(暗号化等)有りのPDFを加工が可能なPDFに変換することも出来ます。
例えばBravaReaderというツールを使うとプロテクトの有り・無しに関係無く印刷ができるので、
PDFライティングソフトをインストールし仮想プリンタでPDFを再作成すれば良いのです。
但し、次の点でお勧めは出来ません。

・仕組みとしてプロテクト有りPDFを画像イメージに変換してPDFを再作成しているので文字としての情報は無くなります。
・PDFファイルのサイズが大きくなります(ページ数が多いと2,3MBのファイルが100MB以上になります)。
・大きなサイズのPDFファイルをキンドルで開くとページ送りが遅くなり快適に読むことができません。

尚、全ての方法に共通ですがプロテクトが有るPDFの印刷・ページ抽出が許可されているか、事前に作成(出版)元の
利用条件も確認しましょう。


2)Mobipocket(モビポケット)でPRCファイルに変換する

PDFをMobipocketでRPC(=MOBI)形式という電子ブックファイルに変換します。
(この方法はプロテクト有りPDFでも利用できます)
ダウンロード、インストール後、起動したアプリケーションからPDFのインポートを選択します。
 
mobipocket2

対象となるファイルを選択後、Importボタンをクリックします。

mobipocket3

Import完了後、Buildボタンをクリックし変換を実行します。

mobipocket4

※Build後のプレビューで文字化けしていたら文字コードを変更して再度Buildしてみましょう。

最後にマイドキュメント/My Publicationsフォルダの中に作成されたPRCファイルをキンドルのdocumentsフォルダに転送します。

mobipocket6

キンドルで表示すると・・・

screen_shot-64049

screen_shot-64050


図形は崩れますが文字の読み易さはさすがです。

Mobipocketは図形が少ない(表示が崩れても我慢できる)PDFファイルの場合には一番のお勧めです。


その他の方法


1)*@free.kindle.com宛に、件名をConvertとしてPDFファイルを添付してメールを送る

キンドルを購入すると付与される*@free.kindle.comに件名にConvertと記載し、PDFを添付してメールを送ると
AZW(キンドル)形式に変換してくれます。
 

こちらの方法には図形が崩れる、日本語が正しく表現されないという問題もあり優先度は高くありません。


まとめ


今回の検証結果を簡潔にまとめると、

1)日本語、図形・記号が少ない(文字を読めれば良い)場合にはまずMobipocketを試してみる。
2)日本語、図形・記号が多く含まれる、PDFにプロテクトが無しであればPDF Scissorsで余白を削除する。
3)日本語、PDFにプロテクトが有り、図形・記号が多く含まれる場合にはそのまま読む(キンドルの設定で横レイアウト)。
4)free.kindle.comメールアドレスによる変換サービスは図形・記号、日本語が失われる可能性が高いが一度試しても良い。
 
※プロテクトは外す事も出来るが手間が掛かる作業であり本当に必要かをよく考える。

となります。




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Posted by netbuffalo at 23:19│TrackBack(0) モバイルデバイス | kindle


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